あの宝光寺がね

吉祥

2018年03月10日 07:23



草津市北大萱にある宝光寺は飛鳥時代に創建された歴史あるお寺です。この付近は遺跡の指定地であり、住宅建設をおこなう場合は発掘調査が行われます。過去の記録によると調査の結果、飛鳥時代の瓦が出土しており白鳳寺院があったことが確実視されております。また本尊の薬師如来像においては、平安時代の作と云われており中世においても存続していたことが証明されています。

そして現在においても天台宗の寺院として残っていて、実に1300年の歴史を誇る由緒あるお寺です。昨年の8月のお盆には当ブログでも書きましたが、33年に一度の本尊薬師如来の御開帳が盛大に行われました。お盆の3日間行事があったのですが私も初日に拝観させていただきました。すべての行事見なかったのですが、お練り、天台高僧の読経、それに行者講による大護摩供もあったようです。



草津市が建てた立て札によると、西暦675年に天武天皇の勅願により僧定恵が建立したとあります。天武天皇はさておいて僧定恵と云うお方は調べると中臣鎌足、後の藤原鎌足の子息なんだそうです。伝えられると断ってはいるが、歴史がある由緒あるお寺なんですね。



御開帳のおり本堂の壁に、絵のサイズで云うと50号ほどの彩色した昔の宝光寺の模写の絵がかかっていました。見るからに最近に描かれた絵図であることは明らかです。元の古絵図は墨絵で、江戸時代に描かれたものらしいですが、そこにこの天武天皇剃髪塔が描かれているそうなんです。彩色された模写図にその塔が描かれていることを見逃してしまいました。そしてこの塔も最近建てられたものと見ても分かります。この今ある宝光寺ですが、俗に云うところの檀家がないそうで地域の住民で支えておられるお寺なんです。それにしてもここの町内の皆さんは篤志家の集まりで感心しております。

所がこの縁起がどうも怪しいという専門家がいらっしゃるようなんです。真贋の見極めは到底できない小生なもんですから一度検索して調べてください。キーワードは「椿井文書」或いは「興福寺官務牒疏」です。



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