金勝寺へ行こう

吉祥

2013年03月31日 08:47



今年の年明けに町内のある方から相談を受けました。相談と言うことの程でもないのだが、栗東の狛坂廃寺にある磨崖仏を見たくて案内してくれないかと言う。断る理由は何もないのですぐに承諾し、2月に行くことにしました。ところが決めた日の朝は寒くて雪が舞っていて急遽中止にしました。
一応山なのでやはり2月や3月では無理だと言う事になり、私の提案でもう一人誘って街道ウォークを楽しむことになりました。そこで先日三条~大津まで歩いてきました。

彼岸も過ぎて桜も咲こうと言う季節になり、約束の磨崖仏に行くことになり昨日行ってきました。



車で馬頭観音の駐車場まで行って、そこから歩きを開始する計画をしていたのですが、朝早くから自宅を出たので金勝寺に寄ることにしました。金勝寺は無住の寺で、寺は寂れてしまっていて建物あるだけで、仏像は拝観できないと言ったのですがとり合えず行くことになりました。

道の駅近くから金勝寺に向けて走ると、暫くして杉の木立が見えてきました。ところがダンプカーにトラックなどの工事車両が停まっていました。どうやら駐車場を整備しているようです。
そして突き進むと道が遮蔽されていて、先月の大雨で土砂崩壊がおきこの先通行止めとありました。思わずエッ、そんな。

馬頭観音へは片山から林道道を迂回してくださいとありました。さて困ったどうする。とりあえず金勝寺でも行って考えようかと。知らなかったのだが寺に入るのに志納料として500円がいるようになっていました。昔のことしか知らなかったのでやめとこかと。ところが同行者が折角来たのだからと入ろうと言う。志納所に行くと工事の方にお寺に行かれるのですかと声をかけられた。そうですと言うと大きな声で男性を呼んだ。

男の人がやって来て一人500円と言う。寺の境内に入るだけなのに500円とは割り切れなかったが、男の人はパンフレットを渡しつつ簡単な説明を始めた。

「仁王門と二月堂」
 

参道を進んでいただくと仁王門があります。仁王門の右側に二月堂があり、木造軍荼利明王が安置しいます。これは重要文化財です。

「本堂」


その西側に本堂があって本尊の木造釈迦如来坐像(重文)、室町時代の作である不動明王立像、桃山時代の作の願安、良弁坐像が安置しています。

「虚空蔵菩薩堂」


本堂からパンフレットの地図の通り進んでいただくと、虚空蔵菩薩堂があり中央に知恵を授けるという木造虚空蔵菩薩半跏像(重文)が、そして両脇に木造毘沙門天(重文)と木造地蔵菩薩(重文)が安置しています。この五体の重文の仏像は堂を開けていますから全て拝観できますのでごゆっくりとお参りくださいと言われた。

エッ、仏像が拝観できるのですか。
(だったら、500円は高くないぞと内心思った)

誰もいないお堂を3人でゆっくりと拝観することができました。(仏像の写真撮影は禁止されていますのでありません。)
三人とも500円の値打ちあったなあーと駐車場まで戻ると、例の男性が杉の丸太の皮むきをやっていたので、素晴らしいものを見せて頂いたお礼を言いに行きました。どうやらこの男性は金勝寺の住職のようだ。

磨崖仏を見たくて来たのだが、この先進めなくて困っているというと、車はこの先進めないが歩いてなら行けますよとのこと。しかもここから馬頭観音まで20分だと。



途中に崩落現場がありました。これでは確かに車の通行は無理です。



馬頭観音まで来ると、パルさんが書かれたいた松根油の採油跡の松を発見。周りを探したのですがこの一本だけでした。本当に松脂を採ったのでしょうか。

 

磨崖仏にはついては過去ブログで紹介したので、省略さしていただくとしてこのまま下山しました。

金勝寺まで戻ってくると住職さんはまだ皮むきをやっていた。何でも杉の間伐とかで、腰掛でも作ろうかと考えているとおっしやっていました。作務衣姿のこのお坊さんであるが、下山してお話したのだが気さくな方でホンマめっちゃ楽しい方。
どう見ても由緒ある金勝寺の住職とは思えない。それはそうでしょう。2年前からここに住職として来たそうで、それまで学校の教師をやっていたとか。しかも聞くと体育の先生だったそうです。

比叡山での修行のこと、酒井雄哉阿闍梨さんことやら楽しい話しを聞かしていただきました。酒井雄哉阿闍梨さんのお顔を一度見たくて、飯室堂に行ったのだが見られなかったと言うと、あの人は忙しい人で講演とかで走り回ってはりますわだって。そしてフツウのおっさんやでなんて言われた。
お堂の中に入るには一升瓶ぶら下げて行くとよいんだそうです。そうか一升瓶ぶら下げてね。

TさんにKさんこのブログ見ているか分からんけど、三人で二升くくりをぶら下げてもう一回金勝寺行くかへんか。自分のことを坊主と言う住職さんともう一度しゃべりたくなった。
気に入ったぜあのぼんさん。


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