物々交換
朝早くから電話が鳴り受話器を取ってみると、兄嫁のいつもながらの元気な声が鳴り響いた。
「浜でハスコがあがったきて買ってきたので、今から炊くから取りに来たらワ」。
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浜とは郷のほうでは琵琶湖を指します。もう少し細かく分けると、琵琶湖は海であって浜は湖岸のイメージと思って頂けば。
ハスコとは琵琶湖に生息するハスの子供のことで、成魚のハスは何故かすっかりみなくなりました。
あがってきたとは、漁師さんがハスの幼魚を獲ってきて港に上げたと言う事。
炊くと言う表現は間違いかも知れませんが、県内では煮ると炊くが混同していますが普段使うのは炊く?。
手土産なしにいただきに行くのも嫌なので野菜でもと聞くと、白菜の漬物をしたいのであればと言う。なんか物々交換みたいになってしまいましたが、いいんじゃない。
漬物談議が終える頃、壁にかかっている新聞の切り抜きの絵の話題に移りました。すっかり兄もファンになつたようで、近くにあるギャラリーにsho惑星さんが来たとかでこの本を買ったそうです。
表紙裏にサインがしてあり兄は誇らしげでした。
ハスコの煮つけです。おふくろも川魚の煮炊きが上手でしたが、兄嫁も負けず劣らずの名人なんです。頭と身がバラバラにならないのがなんとも凄いです。
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