先週の話となってしまったが、琵琶湖博物館の特別講演会に行ってきました。この日の講演
は京大名誉教授上田正昭先生の「古代近江の渡来文化」でした。
この特別講演会ですが、一ヶ月に一度各界の著名な先生方の講演となっています。聞くと
ころによるとなんでも川那部館長の口ぞえによるものらしいです。いずれの講演も琵琶湖も
しくは近江に関わるタイトルになっています。
昨年から始まった琵琶湖セミナーの3月最終回で、今年はこの特別講演会が開かれると聞
いていました。そのおり司会者から上田先生の話を生で聞こうと思ってもそうたびたびチャン
スはありませんとのことでした。私は一応名前だけは知っていました。なんせ日本の古代歴
史の第一人者というか重鎮らしいです。二ヶ月ほど前にもなんか受賞されて新聞に載ってい
ました。
なにぶんにも近江の歴史すら疎いのに、朝鮮半島の古代歴史の話しとなると私にとっては
かなりハードルの高い講話でありました。
終了後、後ろの方から聞こえて来たのだが、先生は御歳80を越えられているらしい。どう
考えてもそれはないやろう信じられんのけどー。次から次へと出てくる近江に関わる人物名
がすらすらとでてくるし、ホワイトボードに難しい漢字をすらすらと書かれるのにはドキモを
抜かれてしまいました。最近人の名前がスッと出てこなくて私は苦労しています。漢字となる
ともう小学生の3年生レベルだと思います。まあー頭の構造が違うと思わんとしょうがない
ことなんだけど、神はもう少し公平に脳細胞を分けてくれても良いのではと思います。
冒頭に館長が挨拶にたたれたのですが、館長が高校3年生の時日本史を上田先生に習っ
たそうで、この先生にこの生徒ありきなんですね。
講演内容は要するに近江に関わる人物像と渡来人との繋がりでしたが、一つ新たなことを教
えていただきました。草津の穴村に安羅神社というのがありまがここの祭神は天日槍。この
天日槍は渡来人で新羅からやってきた。一応ここまでは以前から聞いてはおりました。
しかしこのことは日本書紀に記述があるとは知りませんでした。日本書紀の垂仁天皇三年
三月の条の一節に、「天日槍、莬道河より沂りて、北近江國の吾名邑に入りて暫く住む」。
「あまのひこぼ、うじがわよりさかのぼりて、きたのかたおうみのくにのあなむらに入りてしば
らくすむ」。と書いてあるそうです。
この他、石塔寺、百済寺、日野にある鬼室神社、雨森芳洲等々貴重な話しを聞いて満足な
講演でした。しかしそれにしてもこの琵琶湖博物館のセミナーと言い今年度の講演会ですが
無料なんです。このあとも楽しみな講演があり楽しみにしています。