里山と森林

吉祥

2009年08月24日 11:51

土曜日に琵琶湖博物館の特別講演会に行ってきました。
今回は第5回目でテーマは「近江の森林を考える」で、講師は名古屋大学名誉教授の只木
良也先生でした。今回も館長の古くからの知り合いとかで、冒頭館長より高校、大学時代の
一年後輩との紹介がありました。

大学教授の講話となるとどうしても話が堅くなりがちなんですが、館長からご紹介いただいた
只木ですから始まり。私らの年代は先輩、後輩の序列がはっきりしていて一つ違いの後輩
ですから、今日も館長から博物館に話をしに来いと言われまして「ハイ」と答えて来ました、
とまず笑いを誘われました。
このあとがまた面白くて、この特別講演会は私で5回目だそうで大層な話しをできませんの
ので、誤解(5回)のないように聞いてくださいから始まりました。

世界を見てみると森林面積は地球上の30%を占めていて、日本は3/2が森林だそうです。
そこで森林とはいうとその定義はないようで、先生によると高木があって、幹と枝がはっきり
と区別ができ上空から見ると地面の土が見えないと言うイメージなんだそうです。
滋賀県は1300年前に藤原京、平城京の建設に伴い、森林が壊された歴史を持っている。
今もって田上山、金勝山では砂防植栽、治山工事が行われているそうです。

昭和30年代前半頃までは森林(里山)では落ち葉を肥料につかい、薪炭として利用され農
地と農村を支えてきたのであるが、化学肥料と石油燃料に入れ替わってしまい人が里山に
入らなくなって里山が荒れてきているらしいです。
それに全国的に竹林の広がりが勢いを増しているようです。昔は竹の子として食材に、それ
になりより竹は住宅にも使わたり杭の代用となったり、いろんな使われ方をしてきたが現在
では竹の子を除いて利用価値がなくなってしまった。この結果どんどんと里山深くまで繁殖
して広葉樹林の中に入り込んでいるそうです。

森林は水の供給源となるだけではなく、生態系にも都市環境を補完する役目も持っていま
す。里山ブームもあり全国で1700からの団体、グループが里山を守る会を結成されている
。しかし里山の保全はボランティアでは無理である。新しい時代に沿った利用方法をみつけ
管理していく手段を考えないといけないとのことでした。

身近なテーマで昔懐かしい話しもでできて、楽しみながら聞くことができました。考えてみる
と生まれ育ったところは直ぐ近くが里山で子供の遊び場でもありました。しかし里山は今ど
うなっているのか行ったことはありません。昔も今も沢から脈々と水滴を落としてくれている
とは信じていますが、、、、。


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