2013年05月18日
福山聖子さんのスケッチ展

朝から膳所市民センターで開催されている「福山聖子スケッチ展」に行ってきた。福山さんのスケッチ展はこれまで二回ばかり見せてもらっていたが、今回は大津、膳所、石山を主に描いた展示だった。

過ぎし大正、昭和の時代の建物が描かれていて、大津市民ではない私にとっても思い出の地、懐かしの建物も数点ありました。会場に入ると女性のグループが絵に額を近づけて何やらヒソヒソ話し。どうやら膳所近郊に住まいを構える皆さんのようだ。一枚一枚の絵にお互いが感想ではなく、絵の場所の説明をやっていた。
とりわけよく知っている絵の前では極端にボリームがあがった。そのあとも次から次へとお客さんが見え、中には今日は先生は何時頃に見えられるのかと、展示スタッフらしき女性に尋ねていた人もいた。何か特別な想いでもあって、聞きたいことがあったのかも知れない。よく聞き取れなかったが、多分来るとは思うが何時頃か分からないようなことを云っていた。
50数点展示してあった作品の中で、最も想いで深いのは大津日赤前にあった焼きいも屋さんである。食べたことは一度もなかったが、生まれてからこの歳まで何度あの釜の前を歩いたことか。ほとんどが日赤に見舞いに、あるいは自分の病気の診察に訪れたものだが思いで深い絵である。
どこのお店を描いたものか分からないのだか、私が目が奪われたのは庵看板と題した絵だった。昔酒屋さんなんかによく掛かっていた看板が描かれていた絵なのだが、あの独特の看板字がそっくりに再現されていて絵の前で立ちすくんでしまった。
十分見せてもらったので芳名帳にサインして帰るつもりだったが、今日のことをブログ記事にするつもりだったので、備忘として印象に残った作品に展示目録に目印を付けるため再度入室した。
で、作品と目録を照合しているとヤバ~ご本人が着物姿で入ってきたではないか。ご本人さんは一応南郷であったスケッチ展で見たので知っていたが、今回は前回とはチト訳が違う。それは昨年福山さんはこの滋賀咲くブログでブログを開設されていて、いつも恐縮しているのだが度々コメントを貰らっていた。
そっとそのまま帰るつもりだったが目録に鉛筆で記しを付けていると、ご存知の所がありましたかと声をかけられた。こうなるともう挨拶しておいた方がよかろうかと思い普段のお礼を云った。まるで福山さんの到着を知っていたかのごとく、人が増えてきたので私はおいとますることにした。
自分の家が描かれた人もいるだろうし、隣の家の人もきっといるであろう。あるいは幼い頃に近くに住んで人もいるであろう。涙と笑いの坩堝である町と、街。そこに暮らす人々のスケッチ展であると挨拶されている。
福山聖子さんのブログです。
ああかかる日のかかる風景
この展覧会の会期は5月25日(土)までです。
