2013年08月28日

根本中堂炎上の危機

開催中の企画展「戦時下の大津」を見に久し振りに大津歴史博物館に行ってきた。

あれは今から3年ほど前になるだろうか。県の文化財保護課の主催だったと思うが、「信長の焼き討ちを検証する」と言う企画があり自分も参加した。これは下から歩いて技師と共に比叡山に登り、帰りはケーブルで下山するというものであった。
当時の内容についてはこのブログでも書いたと思うが、帰り際にケーブルの山上駅で焼き討ちの危機はもう一度昭和にもあったとの説明を受けた。山上駅から山頂方面に指を指してその辺りに、戦時中軍事施設がありB29の攻撃目標だったとのこと。幸いにも爆撃は終戦となって難を逃れたのだが、終戦がもう少し遅ければ目と鼻の先にある根本中堂が被害を被ったかも知れないとのことだった。軍事施設とは何か、もう少し詳しく聞きたかったのだが説明はそれだけだった。この話はその後も気にはなっていたが、調べるすべもないのでそのままになっていた。

8月23日の朝日新聞の朝刊滋賀版に、「桜花、基地の新資料」と書かれたかなりのスペースの記事に目が止った。記事には写真と基地の見取り図が載っていた。
記事によると桜花とは本土決戦に備えて海軍が開発した特攻機なんだそうだ。この桜花は自力では発射できないそうで発射台があったとも書かれている。ところがこの発射台は終戦前に建設にかかったのだが、終戦までに間に合わなかったため一度も台は使われなかったのそうだ。

この発射台であるがそもそも軍事機密であったため、詳しいことは分かっていなくて写真が数枚あるだけらしい。ところが大津の古書店で、京都三中(現山城高校)の生徒のアルバムにこの基地の写真と概要図が書かれた見つかったらしい。
開催中の企画展でこのアルバムが展示されているとのことで出かけた次第である。アルバムには古びた白黒写真が張ってあって、その中に新聞紙上に載っていた写真が張ってあった。しかしアルバムは個人のものであると思うのだがよくぞ見つかったと思う。博物館によると、この概要図が正しい見取り図なのか、検証しなくてはいけないらしくて当時のことを知る証人を探しているそうだ。


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この記事へのコメント
わたしも見て来ました。
昔、坂本ケーブルの駅舎をスケッチした時に、駅長さんから、戦闘機を山上に運ぶ用の無蓋車の話を聞き、気になっていた歴史です。
これからまだまだ史料が出てきそうですね。
Posted by sho惑星 at 2013年08月31日 17:53
sho惑星さんへ。
あれ!!。行かれたのですか。
特攻部隊のこと知っておられたようですね。私は記事に書いた通りで、歴史講座のときに県の文化財の技師さんから聞きました。
当日、一応信長の焼き討ちの全ての行程は終わって、おまけの話しとして技師さんから聞きました。
たまたまあの時技師さんの近くにいたので聞けたのですが、離れていたら聞けなかったでしょうね。ただ詳しいことは話されなかって軍事施設というものですから、その当時はまだ無かったかも知れませんがレーダーのようなものを想像していました。

朝新聞みたとき一番に目に付きました。ケーブルの会社に何枚か写真が残っていて、そうそう無蓋車の写真も掲示されていましたよね。大阪湾から上陸する軍艦を狙う特攻機の発射台だそうですが、自力で離陸もできない飛行機なのに大阪湾まで飛べるのですかね。あの場所は今はドライブウェイとなっているようです。

皇子山にあった第9連隊の写真などは懐かしかったです。私はユースホステル附近にあった米軍の建物、少しだけ記憶に残っています。

このあと折角なので常設展も見てきました。何回か行っているのですがすぐ忘れてしまって新たな気持ちで見てきました。
そうそうsho惑星さんの縄文時代の竪穴住居でのイメージ図拝見しました。sho惑星さんのこと思いつつ(補助員やっていたと聞きましたから)見ていました。ただ縄文時代にしては女の子が可愛い過ぎます(笑)。
Posted by 吉祥吉祥 at 2013年09月01日 07:52
いや〜常展の‥羞しいです(汗)
あれは、本来は図説大津の歴史や、過去の展覧会の時に製作したもので、それが常展パネルになってしまいました。
いまならもう少し、ましなものが描けたかな?いえいえ、いまも技量が足りない‥

桜花の話はホントに胸を衝かれてしまいます。
11型でしたか、初期のエンジン無しの話は、言葉になりません。
人間魚雷 回天もそうですが‥(涙)
Posted by sho惑星 at 2013年09月01日 13:48
sho惑星さんへ。
そういうことですか。でも微笑ましくていいじゃないですか。今ならね。ご謙遜なさらなくてもよいのに!!。
私もネットで知ったのですが、この桜花は改良型だったらしくてお話の通り最初はエンジン無しだったみたいですね。それで本当に飛べるのですかね。勿論片道切符での飛行で絶句してしまいます。

毎年この類の話しは終戦記念日に新聞紙上で記事になります。二度と戦争は興してほしくありません。
Posted by 吉祥吉祥 at 2013年09月01日 16:40
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